自然に使えるデザインを
いよいよ都立学校にICT機器の導入が加速してきた.しかし,実際に使われるのだろうか.そのあたりはいささか心配になる.
私は昨年度「スタッフ」として参加してきたけれども,いろいろ話を聞くなかで,どうも「モノ」だけ入りました,という印象をぬぐいきれない.
カートにプロジェクタやタブレットPCが配置され,各普通教室に配置されている.
使いたい教員はそれを設置し,スイッチを入れ,授業を開始する.
授業が終わったら,片づける.
たぶん,途中で面倒になってしまうかもしれない.
私は今年度から大学に通っているが,大学での講義室というのは,こんな面倒なことにはなっていない.
黒板がある.
スクリーンが既に設置してある.
プロジェクタは天井から吊ってある.
教卓に,教材提示装置等が設置されている.
LANは当たり前のように配備されている.
教員は,使おうとすればスイッチを入れればよく,使わないことを選択しなくても機器は邪魔にならないようになっている.
教室にICT機器が入ることによって,さまざまなメディアを使っての授業が可能になる.教科書や問題集だけの世界ではなく,様々な資料を引き出しながら,ディジタル教材を活用しながらよりわかりやすい授業をつくることができるので,機器が入ることは悪くない.
大学の講義室を見て,あ,そうか,と思ったことがもうひとつ,ある.
講義室.
そう,講義室なんですよ.つまり,「普通教室」よりネーミングとして優れていますよね.目的がはっきりしている.
講義をするための部屋に,必要な環境を作る.
すごーくスマート.
高校なら,授業で使う部屋はどんなもんじゃろう.
国語や数学のように,概念やイメージや発想を必要とする教科であれば,大学のような講義室で可能でしょうか.
地歴科・公民科や英語科のように,資料や視聴覚教材を必要とする教科には,教科の特性に合った講義室があったほうがよいでしょうか.
理科や家庭科,情報科のように実験や実習を伴う教科であれば講義と実習が可能な部屋でなくてはいけませんね.
それらの部屋にICTうんぬんを導入していけば,教育の情報化(授業編)は終了,ということになるじゃないですか.
幸いなことに,今回配置されたICT機器は「カート」に乗っかっていて移動可能ですから,いろいろ配置してみて安定して使える配置を開発するところからはじめても良いと思います.